白帝社 韓国語・朝鮮語教育を拓こう

韓国語・朝鮮語教育を拓こう
  -定時制高校からの発信-

 著者:李貞榮・李ユミ・今給黎俊伸・遠藤正承・
     林久美子・方政雄・松浦利貞・李智子 著
 ISBNコード:978-4-86398-188-1  A5判
 定価:本体1400円+税
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 説明:

 外国語、韓国語、朝鮮語、教育、定時制高校……このようにことばを並べると街行く人たちはどう反応するでしょうか。

 「韓国語、朝鮮語って外国語なのかよ?」、「え、いま高校に韓国語、朝鮮語授業があるの?」、「韓国語と朝鮮語って、同じなの?違うの?」、「グローバル化
社会なんだから、韓国語なんかよりコミュニケーションできる英語をもっと重視してほしい。」、「定時制高校で韓国語授業なんか無理だよ」、「そもそも定時制高
校って授業が成り立っているの?」等々ではないでしょうか。

 現在、全国の高校では、318校、11,441名の高校生が韓国語を学んでいます。韓国語開設校は6.1%、高校生数は0.3%です。
 この5,000校を越す高等学校のうち、初めて朝鮮語授業を開設したのはみなさんご存じの定時制高校である兵庫県立湊川高校です。東京でも都立南葛飾高校
定時制から朝鮮語授業が始まりました。

 定時制高校においては、有名大学進学率アップというような数値目標はありませんが、韓国語授業がしっかり行われています。ときに老若が机を並べ、声を出
しあっています。英語への学習意欲は低くとも、この言語はおもしろいと言って、韓国語にはまり込む生徒も意外にいます。たくさんの生徒が韓国語、朝鮮語を学
ぶことは、北東アジアに生きる人々が良好な関係を築いていく一歩になるのではないでしょうか。

 さて、なぜこの本をつくろうとしたのかお話ししましょう。第一は、遠藤が林久美子さんから韓国語教育の意義について訴えた文を偶然いただいたことにあります。
教育課程から韓国語や中国語が消えてしまうかもしれない、そんな危機をいだいた林さんは校長に手紙を書きました。そして、その直後、方政雄さんが湊川高校
の朝鮮語授業と金時鐘さんについて書かれた文がJAKEHSメーリングリスト上に掲載されました。これが第二のきっかけです。これらをもとに、各定時制高校での
韓国語授業に関する実践記録を一つのものとしてまとめよう、定時制高校における韓国語教育の歩みをある程度跡付けよう、そう考えたのです。第四は韓国語授
業を行なう高校が減少している最近の動向への危機感です。JAKEHSメーリングリスト上でも韓国語授業を閉講する事例がいくつか報告されました。韓国語授業を
簡単になくすな、そんな思いでこの本をつくろうとおもいました。

 みなさま、ぜひこの本をお買い求めいただければうれしいです。全日制の高校にも通じることがたくさんもりこまれています。
 高校の韓国語教育、朝鮮語教育について論じた本はこれが初めてです。画期的な本です。
 この本の最後でつぎのようになげかけています。

「いま、韓国語・朝鮮語がおもしろい!!」
 「韓国語・朝鮮語からいろいろなものが見えてくる!!」